- 著作名
- ダーウィンの剃刀
- 著者
- ダン・シモンズ
- ジャンル
- 冒険サスペンス
- 星の数
- ★★★
- 出版社
- ハヤカワ文庫
- 原作出版
- 2000
- 備考
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疾駆するアキュラNSXに並びかけたメルセデスE340の黒いスモークガラスの窓がするすると下がった。視界の隅に量産型の醜悪なフルオートマチック――ウージかMac-10――の銃身が映り、次の瞬間、それが火を噴いた。左の窓が粉砕され、砕けたガラスが耳や髪に降りかかり、銃弾がアルミニウムでできたNSXの車体を撃ち抜きはじめた……。
保険会社の依頼で交通事故などの状況を調査・再現する、腕利きの事故復元調査員ダーウィン・マイナーを襲ったのは、ロシア・マフィアの一員だった。なぜ彼を？――その疑問に答えたのは、州検事局の女性捜査官シドだった。最近カリフォルニア全域で頻発している不審な事故の背景に、大規模な保険金詐取を企む犯罪組織が存在するらしい。どうやら、ダーウィンの手掛けた事故調査のどれかが、彼らにとって都合の悪い真実をふくんでいると思われる。シドの調査に協力することになったダーウィンだが、敵はかつてソ連軍でその名を馳せた名狙撃手を殺し屋として放ってきた。必殺の銃弾にさらされたとき、ダーウィンの身内に眠っていた戦士の魂が甦る……。