序 及びお薦め度

10代で読み始めた本もかなりありますが、評価は20代になってからつけ始めました。 50代になって好みの傾向が変わったこともあり評価の基準はずいぶん違っています。 昔読んだ本でも今なら★★★はあげたいのがいっぱいあります。本格推理ものは最近は読むのがきつくなってきています。
昔読んだ本の中で代表的な作品は一応リストアップしてあります。
読み始めて面白くなかったら、すぐに次の本に取りかかって下さい。
但し★★★★★の本はあきらめないで読みあげてください。
最後には納得できるはずです。
また、更新履歴の★★★以上の本の情報は上の「お薦め本リスト」からも入れます。 ★★★を与えた本でもお薦め本リストに載せてない作品は★★★の色にしてありません。 単に私の好みで差がついているだけでもっといい評価を与える読者も多いと思います。
★の数はあくまでも参考程度にしてください。
尚、最近の本は暗い題材や中身が多く見受けられます。
私も還暦を過ぎてこういう本をせっせと読む気力がなくなりました。
そういう本に出会った場合はさっさと途中で放棄してます。
放棄した本やお薦めに取り上げてない本は単に私と縁がなかっただけです。
その点をお含みの上でこのホームページをご覧ください。
また最近は本を購入する場合は古書店専門、あるいは図書館を利用します。
だから定価でのお薦め度はどうかなと思う作品もありますがご容赦ください。

わたしがいま読んでいる本

脱出空域」 トマス・W.ヤング 2011 ハヤカワ文庫
「高度を維持せよ。いかなる状況においても上昇および下降を禁じる」そのメッセージを機に、何の危険もないはずの輸送任務は一変した。テロの負傷者をアフガニスタンからドイツへ空輸する輸送機に爆弾が仕掛けられ、着陸不可能となったのだ。機長のパースンは老朽機を必死に操り、わずかな可能性を求めて苦闘するが、その行く手には多くの障害が立ちはだかる……逃げ場のない大空で極限の死闘が続く!
「パーフェクト・ハンター () ()」 トム・ウッド 2010 ハヤカワ文庫

プロの暗殺者ヴィクターは、依頼どおりに標的の男を射殺し、男が持っていたフラッシュメモリーを奪った。だが、その時から彼は殺し屋に襲われ始める。彼は知らなかったが、フラッシュメモリーにはロシアの軍事機密が記録されており、CIAがそれを受け取るはずだった。ヴィクターは殺し屋を次々と倒し、自分の命を狙う者が誰なのか突き止めようとする。やがて彼は、暗殺の仕事を仲介する人物に会い、意外な事実を知る。

仲介者の話では、ヴィクターの殺害に失敗した首謀者が、今回の暗殺計画の関係者全員を抹殺しようとしているという。ヴィクターは仲介者に協力し、首謀者の正体とフラッシュメモリーの中身を解明しようとする。だが敵は凄腕の殺し屋を差し向けていた。しかも、ある事情でヴィクターを追うロシアの情報機関が軍事機密の流出を阻むべく動き始めた。壮絶きわまりない戦闘の行方は? 期待の大型新人が放つ冒険アクション巨篇。

「巨人たちの落日 () () ()」 ケン・フォレット 2010 ソフトバンク文庫
海外ミステリじゃない本
「橋の上」

図書館に予約してある本

印は市民図書館    印は県立図書館

海外ミステリじゃない本
「東雲ノ空」

図書館に予約する予定の本

県立図書館
ダニエル・シルヴァ 「顔のないテロリスト」 文春文庫
ジル・チャーチル 「死の拙文」 「クラスの動物園」 「忘れじの包丁」 「地上(ここ)より賭場に」 創元推理文庫
レジナルド・ヒル 「完璧な絵画」 早川ポケミス
ピーター・ラヴゼイ 「ミス・オイスター・ブラウンの犯罪」 ハヤカワ文庫
マイクル・コナリー 「トランク・ミュージック 上、下」 扶桑社ミステリー
市民図書館

『推理小説の整理学』

この本があったから、良い本に出会うことができました。

20代までは推理小説専門でした、それも古典!
ところが30代になりこの本を手にしてからはミステリの視野がひらけました。

推理小説の整理学

おもしろい推理小説の見つけ方

この本は――
「ミステリー? そういえば2、3冊読んだような気がするけど…」と口ごもる方から、「ミステリーだって? これでもむかしはかなりうるさかったんだぜ!」と胸を張る方にまでウインクしてみせた外国ミステリーのガイドブックである。

とくに――
「ミステリーなんて犯人当て小説だろう? いっぺんこっきりしか読めない小説なんて」と軽侮する方におすすめしたい。

また――
「何かおもしろいことはないかな」と優雅なせりふをお吐きになるあなたにも……。
たしかにミステリーなど生活のごく一部を埋めるものでしかない。しかしミステリーを読むことがあなたの日常にいろどりを添えることになれば話がちがってくる。通勤・通学時の満員電車のやりきれなさが、一冊のミステリーのために楽しいものとなったら……。

根がおせっかいなせいか、本屋のミステリーの棚の前に立って何冊も引き抜いて、買おうか買うまいか考え込んでいる人をみると、声をかけたくなってうずうずしてくる。
「そんなのおやめなさいよ。名作だっていわれてるけど……あ〜あ、買っちゃうの」とか、「新しい作家だけど、それおもしろいよ。きっと友人に読後感を話したくなるよ」

もちろん、話しかけたことは一度もない。はらはら、うずうずしながら背中からのぞきこんでいるだけ。
棚の前で迷う人の典型は、冒頭数ページの流し読み。しかし小説家なら冒頭に工夫をこらして読者を引きこもうとして手練手管を用いているのはあたりまえ。だから、もっとも確実な方法は――
「……いきなり本のなかほどをひらいて読みはじめる。そして登場人物がシーンをみごとに支配しているようなら、読んで損をすることがない。一手打つたびに局面が微妙に揺れる専門棋士の手合を見守っているような感じに近い。
ましてその登場人物が主人公でないのなら、小説の出来栄えは保証されたようなものだ。あなたが、偶然に本屋の店頭で本書を手にとり、偶然に8章をひらいたとしたら……と思うと微笑が浮かんでくる……」

1977年7月5日
各務三郎

以上、前書きを一部省略してありますが、この本に紹介されている本を片っ端から読破しました。ところが当時は、文庫になってる本が意外と少なくて苦労したのも今では楽しい思い出です。
早川からミステリ文庫が出始めたのはこの本の数年前だったような気がします。それまでは創元推理文庫だけしかなかったような記憶があるのですが、今になってははっきりしません。
知り合いがポケミスの87分署シリーズをj読んでいるのをうらやましく見ていたものです、なぜか借りなかったですね。まだ本格物にこだわってたのでしょう。
スティーブ・キャレラに出会ったのは、文庫になってしかも古本屋の棚に並んでからですから随分後の話です。

「読まずに死ねるか!」と時を同じくして、今は亡き小泉喜美子女史の「メインディッシュはミステリー」(新潮文庫、1984)にも大きく影響を受けました。
ハードボイルド小説に対するイメージを大きく変えた案内書でした。
この本の紹介で、ハメット、チャンドラー等の作品も手にとるようになりました、おのずとクラムリーにも……。 しかし、ロスマクはどうしても好みには合いませんでしたね。
それ以上に、「深夜プラス1」をはじめとする冒険小説の分野に夢中になったせいでしょう。
推理小説の整理学」「読まずに死ねるか!」「メインディッシュはミステリー」この3冊は私に大きく影響を与えてくれた参考書です。

『読まずに死ねるか!』

故・内藤陳さんのこの本でハードボイルド、冒険小説とジャンルが広がりました。

読まずに死ねるか!

「深夜プラス1」「脱出航路」「高い砦」「第五の騎手」「犬橇」「ゴーリキー・パーク」「逃れの街」……。 いつの間にか、いい本を見つける超能力を身につけてしまった日本冒険小説協会会長・内藤陳が、 読者のために損得抜きで選んだ面白本の絶対おススメ読書案内。
開口健、椎名誠との対談も収録。
解説・北方謙三

他に「読まずば2度死ね」「読まずに死ねるか!3」etc.
内藤 陳さんの紹介はとても素晴らしく、参考になりました。

三国志の紹介は名文です。

敬愛する読者諸氏よ、君はそう想わぬか。俺にとっては『女王陛下のユリシーズ号』も、 『深夜プラス1』も『鷲は舞い降りた』も、『オーパ!』もエェイ書けばきりが無いが、すべて一番好きな本なのだ。 何であの本あげてこの本あげずにいられるものかと高言したが、そ、その様に三顧の礼をつくされたのではもはやこれまで、 他の大傑作はこれを泣いて馬謖を斬り、万死覚悟でただ1冊を選ぶとすれば、
『三国志』吉川英治、講談社。

なんだ『三国志』か! など軽く言うことなかれ。この雄大な物語を読まずして君死にたもうことなかれ。
『三国志』こそが陳メ少年の頃よりも今もなおかつ五読、いや二十読しても感動いやます波瀾万丈、悲愁切々、 血湧き肉躍る壮大な歴史スペクタクル人間ドラマなのだ。

そして、本書にはあらゆる面白小説のドラマチックなメニューがとりそろえてある。
男の想いならば、玄徳と関羽・張飛。『三国志』の一番の主役と思える諸葛亮孔明の男の義の重さ。 曹操が(陳メには玄徳よりも人間的で好ましい)寄せる関羽への思い。

凄惨! 血が河を山を草を染める数かずの戦い。

玄徳を想い名馬赤兎馬を駆って五関を抜き千里を行く関羽の勇姿。

大敗戦の長坂橋に赤子を守り傷だらけの大奮戦! アア感動の我らが趙雲子竜。

武勇は当代一なれどチト節操に欠ける梟雄呂布の美女貂蝉による恋心とその哀れな最後。 肝をも拉ぐ豪傑・英雄割拠し、権謀術策嵐と乱れ、『積木くずし』なんざ不必要の親孝行のお話あり、美姫あり、涙あり。 と思えば一転遥か雲南(今のビルマ)に遠征した孔明が七度放った南蛮王孟獲との戦いの面白さ。etc ……。 とても短文では書き表すこと非才陳メには無理なのだ。それほどの物語に錦上花を添える、 イヤ、これなくしてはこの物語が有りえぬ“詩”の数かずの素晴らしさは正に燦めくばかり。

そして我はこの物語の華麗豪壮な文に酔いしれ、吉川バンザイと叫ぶのだ。

かてて加えて、痩肩良く蜀を担いながらも志半ばにして、秋風寥々五丈原に散った巨星諸葛亮孔明の血を吐くばかりの胸中を想うと。 アア! 陳メただ涙するのみ。そうさ、これが泣かずにいられるか。

孔明が心血をそそいだ出師の表の惨たる覚悟の誓いに、そして七歩の詩に!!

これこそが面白小説No.1なのだ。

表紙画像

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