スパイの誇り
著作名
スパイの誇り
著者
ギャビン・ライアル
ジャンル
スパイミステリ
星の数
★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1993
備考

1912年、ヨーロッパは戦争への予感に怯えていた。バルカン半島を火種に、全世界を巻きこむ戦争が勃発するのは時間の問題らしい。列強各国は、敵陣営の内実を探るのに腐心していた。そのための機関――情報部は、どこの国もまだその産声を上げたばかりだった。

一人の英国人が、トルコからの解放に湧くギリシャにいた。彼の名はランクリン砲兵大佐。名家の出である彼は、身内の経済的な破綻に巻きこまれて軍籍を失い、傭兵としてギリシャ軍で闘っていたのだ。だが、闘いは終わった。たたずむ彼の元に、古巣の英国人の人間が現われる。彼はランクリンを呼び戻しにきたのだ。ランクリンは大尉に格下げされ、なおかつ侮蔑的な言葉を投げかけられる――情報関係の任務じゃないのかな。

かくして設立されて間もない情報局に採用されたランクリンは、スパイの仕事に対する嫌悪や軽侮を押し隠して、祖国のためさまざま任務をこなすことになった。腕試しにアイルランドへ乗りこんだランクリンは、そこで早くも予想外の事態に直面する……

激動の時代を背景に、ヨーロッパ各地で展開される熾烈な情報戦。冒険スパイ小説の巨匠が、草創期の英国情報部を題材に描き出す、謀略と冒険の一大巨編。


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