西インド諸島を発つ日、わたしは、存在しない庭師から手紙の代筆を頼まれた。 さらに、白昼夢が現実を浸したように、米国へ渡る船上で生起する蜃気楼めいた出来事の数々。 誰かがわたしを殺そうとしてます…… 一編の手記に始まる物語は、奇妙な謎と戦慄を孕んで、闇路をひた走る。 めまいを誘う構成に秘められた狡知、縦横無尽に張りめぐらされた伏線の妙。 超絶のサスペンス!