隅の老人
著作名
隅の老人
著者
バロネス・オルツィ
ジャンル
ミステリ
星の数
★★★
出版社
各社より出版
原作出版
1901
備考

イヴニング・オブザーヴァー紙の記者ポリー・バートンは「ABCショップ」のいつもの席で昼食をとりながら、デイリー・テレグラフの記事に熱中していた。するといきなり向かいの席に座っていた男が話しかけてきた。

「ミステリーだと! 犯罪に謎などというものはありえんよ――叡智ある人間がそれの解明にあたるかぎりはな」その口調の、あまりに自信にあふれた調子に反発したポリーが、それならフェンチャーチ街の事件はどうかと切り返す。ところが老人は、平然としているばかりか、事件の概要を語り始めた。話しながら、証拠物件の写しや、陣関係者の写真などを懐より取り出してみせながら。

隅の老人が初登場する、「フェンチャーチ街の謎」をはじめ、「ダブリン事件」「地下鉄の怪事件」等、安楽椅子探偵のはしりといわれる隅の老人の活躍を描いた作品は三冊の短篇集に収められている。


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