アメリカ西海岸沿いの一小都市サンタ・マイラに、奇怪なマス・ヒステリー現象が、めだたず、静かに進行していた。夫が妻を妻でないといい、親が子を、子が親を、友人が友人を、偽者だと思い始める。心理学者も医師も、これを、稀ではあるが時おり発生する集団的な心理錯覚だと考えていた。だがある日、開業医のマイルズ・ベンネルは、友人の家のガレージで奇怪な物体を見せられた。それは、人間そっくりに変貌しつつある謎の生命体――宇宙からの侵略者の姿だったのだ!