陰鬱な海に浮かぶ孤島。その中央にあたりを睥睨するように建つ古城。
17世紀から伝わる黒死病にまつわる忌まわしい伝説。
復元されたヴィクトリア朝風の劇場で演じられる古典劇。
集まってきた役者たちを脅えさせる姿なき脅迫者。
事件は舞台劇の幕が開こうという寸前に起きる。
主演女優が化粧室で惨殺されたのだ。
容疑者は島の持ち主も含めて、この劇をの上演に関係している者たちだが、彼らの気持をかき乱す怪文書が横行する。
コーデリアは女性ならではの繊細な人間観察を武器に一歩、一歩、真相に近づいていく。