盗まれた空母
著作名
盗まれた空母
著者
トマス・ブロック
ジャンル
冒険小説
星の数
★★★
出版社
文春文庫
原作出版
1983
備考

最初はイラン海軍の潜水艦だった。
第二次世界大戦中はアメリカ海軍に所属し、戦後イランに売り渡された老朽潜水艦が、哨戒任務中に毒ガスのために乗組員全員が殺され、乗り込んできた正体不明の一団に操られて、密かにアメリカに向かった。
次は空母だった。チャールストンの港に係留されていた記念展示艦ヨークタウンは、何者かの周到な計画で、豪雨の夜にいずこかへ姿を消した。
そして、ケネディ空港を飛びたった一機のDC-9のうしろに、小型のジェット機が忍びよった。
それをいぶかる間もなく、機内で突然、爆発が起こった。被害は軽微なものだが、爆発物のそばにいたスチュワーデスが一人死亡した。
その時、旅客機の無線機からハイジャッカーの声が!
「今のはたんなる小手調べだ。こちらの指示にしたがわなければ、機内に仕掛けたさらに大きな爆弾を破裂させる」

内藤陳のお薦め文
  大戦中は太平洋で大活躍――全長900フィートの“ヨークタウン”が、記念展示場の桟橋から、曇を霞と盗まれた!

プラモ・コレクターの仕業としたら、サテ陳列棚はどうするの? とは余計(ヤボ)なお説教。

一方、アラビア海では、イラン海軍の潜水艦が強奪され、ケネディ空港からはリア・ジェット機も盗まれた。

盗み集めるばかりがNOじゃない、犯人グループの考えた奇抜な“多目的使用法”は……?

オブライアン機長操縦のDC-9は、突然正体不明機から、信じがたい脅迫を受けた。

「海へ向かって飛べ! さもないと六十秒以内に命を落とす」

狙いは、百余名の乗客と、2500万ドルの金塊だ!

『超音速漂流』『亜宇宙漂流』と、パニックもの一筋のブロックが、これまた飛ばす“心肝大冷凍”犯罪巨編。

<狂気の天才頭脳>マクルアに、<炎の女殺し屋>凄艶オルガ、裏切られしタルボットの哀しみはいま紅の大海原に! そして、悪党軍の圧倒的優位に、どう反撃するか素人軍。機長と、女性にわか操縦士ジャネットの心強き信頼感。チョイ役ながらキラリと光る日本人乗客と、読ませるキャラクターが勢揃い!

奇想天外縦横無尽。大型サスペンス印(じるし)ならばオマカセのブロックは、ちょっとばかりじゃクズレない、品質保証のまる適マークなのだ!


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