復讐法廷
著作名
復讐法廷
著者
ヘンリー・デンカー
ジャンル
法廷ミステリ
星の数
★★★
出版社
文春文庫
原作出版
1982
備考

やもめ暮しの初老の事務員デニス・リオーダンの、たったひとりの娘が、強姦殺人の犠牲となった。
犯人の黒人はたまたま別の軽罪で保釈中であったため、犯行は明かで本人もそれを認めたにもかかわらず、法適用の問題からこの殺人は立証されることなく、正当な裁きを受けずに自由の身となってしまう。

これに憤慨したリオーダンは、38口径を買い求めて犯人を射殺し、その足で警察に自首する。
彼の目的は娘の仇を討つと同時に、このような法の不合理を世に訴えることであって、自分が処罰されることは全く意に介さなかった。

だが、彼の弁護を引き受けたベン・ゴードンは、このおよそ弁護不可能に見える事件に真っ向から取り組み、12人の陪審員を前に白熱の法廷闘争を繰り広げる。

事件そのものは単純明快であるが、複雑な法律問題を全面に押し出して、緊迫感あふれる法廷推理小説にしあがっている。


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