二つの死体が、聖マシューズ教会の聖具室で発見された。 一体は元国務大臣ポール・ベロウン卿、一体は浮浪者ハリー・マック。 二人とも喉をかき切られ、血溜まりの中で倒れていた。 それより前、ベロウン卿の身辺ではスキャンダラスな事件が続いていた。 前夫人は自動車事故で死亡。 その五ヶ月後、彼は兄の婚約者と再婚したのだ。 また、ベロウン家では、看護婦が次々と不可解な死を遂げていた。 警視長アダム・ダルグリッシュは、事件の手がかりを求めて卿の生前の行動を追い始める。