「剣客商売」黒白無外流の剣客・秋山小兵衛は待っていた。しかし、2年前に真剣勝負を約した相手、一刀流の剣客・波切八郎は約束の場所に現れない。八郎は辻斬り魔と化した道場の門人を成敗し、もはや自分に人を教える資格はないと、道場を出奔していたのだった。身を隠した先の料理茶屋・橘屋で知り合った女中・お信にそそのかされるまま、彼女の親の仇まで斬ってしまった八郎は、もはや小兵衛と闘う意志を持たない。そんな八郎の身を案じる小兵衛の若き日を描く剣客商売番外編。

「剣客商売」黒白無外流の剣客・秋山小兵衛と約した真剣勝負の場に現れなかった波切八郎。それは、やむを得ず門人を斬ることになり、自分にはもはや人を教える資格がないと道場を出奔したからなのだが、その後八郎は運命に翻弄されるかのように人斬りを重ね、最近では、胸の底からわき上がる殺気に、以前とは違う自分を感じている。そんな彼を同じ剣客同士として気遣う小兵衛と八郎の対照的な人生が、ある時再び交差するのだが…。『剣客商売』シリーズファン必読の番外編。

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