「剣客商売」二十番斬り亡き妻・お貞が手招きする夢を見た翌朝、無外流の剣客・秋山小兵衛は得体の知れぬ目眩に襲われる。床に伏せったその日、小兵衛が怪しい物音に目を覚ますと、物置に潜んでいたのはかつての門人・井関助太郎と豊松と名乗る子供であった。彼らを追ってきた男たちを倒した小兵衛は、いわくありげな二人を匿う。じりじりと迫る悪の手に立ち向かう小兵衛も本作では66歳。作者の分身ととらえる読者も多い小兵衛の老練な技が光る表題の特別長篇に短篇「おたま」を併録。

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