「剣客商売」十番斬り無外流の剣客・秋山小兵衛は、碁仲間の医師・小川宗哲宅で、死病に冒されながらも、肉体からは若い頃の修行の跡を匂わせる剣客・村松太九蔵に出会う。「まだ……まだ死ねぬぞ。まだ、十人あまりもいる……」と、生への執念をたぎらせる太九蔵は、死ぬ前に、世話になった村に巣くう無頼浪人どもを一掃することを心に誓っていたのだった。太九蔵のただならぬ意志を感じた小兵衛の助太刀は、藤原国助作二尺三寸による「十番斬り」。この表題作ほか全7編を収録。

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