V.I.ウォーショースキー
「女探偵で読む!ミステリ読本」アスペクト(1999)より一部抜粋
- 本名
- ヴィクトリア・イフィゲネイア・ウォーショースキー
- 愛称
- 本人はファーストネームで呼ばれるのを嫌い、通称はイニシャル[V・I]で通している。愛称はヴィク。彼女からヴィッキーと呼ぶことを許されているのは、警察官であった亡き父親の親友である警部補ボビー・マロリーのみである。
- 出生地
- アメリカ・イリノイ州サウス・シカゴ
- 年齢
- 40歳
- 誕生日
- 7月27日
- 身長
- 5フィート8インチ(約172センチ)
- 体重
- 130ポンド(約58.5キロ)
- 容姿
- グレイの目、イタリア人の母親ゆずりのオリーヴ色の肌、短いカーリーヘア、多くの人間が美人だと評する。
- ファッション
- 聞き込み調査などの時は相手の信用を得、知的階級の人間に見えるようにするために、ネイビー・ブルーのスーツをよく身につける。わかれた元夫に会う時は、「柔らかな金色のトップ、チャコール・グレイのパンツスーツ。…大きなイヤリングとボリュームのあるネックレスで現代ふうの雰囲気を添えた」り、パーティーやデートの時はドレス、ビルに忍び込んだりする時は、ジーンズにTシャツなど、TPOに合わせている。基本的には「出来る女」的なスーツを着ていることが多い。ほかに、幸運を運んでくれる靴として、ブルーノ・マリの赤いパンプスがお気に入り。
- 性格
- 自立心が極端に強く、人に頼るのも頼られるのも嫌う。自分にも他人にも厳しい。母親ゆずりで気性は激しく、何かにつけてよく怒っている。どんな巨悪にも敢然と立ち向かっていく、行動的なタイプ。
- 職業
- 大学ロースクール卒業後、国選弁護人になるが性に合わず、離婚とほぼ同時期に辞める。現在、金融関係専門の私立探偵。
- 契約料
- 依頼人によるが、前金500ドル、一日400ドルが基本。親類には親類料金があり、2割引になる。
- 住居
- シカゴ。ホールステッド通りに面したアパートに住んでいたが火事に遭い、現在「ベルモント・アヴェニューの北寄りにある、ラシーヌ・アヴェニューの小さなアパート」に住んでいる。
- 事務所
- モンロー通りの煙草屋の隣に建つプルトニー・ビル4階。表札は「V.I.ウォーショースキー、私立探偵」。ビルの東端に位置する。ウォバッシュの高架鉄道に面しているため、賃貸料が安い。ここに事務所を構えて10年になる。アパートメントと違い、たいていきちんと片付いている。昔は母の形見であるオリヴェッティのポータブル・タイプライターを使って報告書、請求書を打っていたが、最近ではコンピュータを導入した。ビルの築年は1920年代らしい。7階にしか女性用洗面所がないうえ、月に1度の割合でトイレの水が逆流したり、エレベーターが止まったりと、かなりオンボロだ。管理人はトム・チャーニック、所有者はカルペッパー兄弟。
しかし、最近になってこのビルも売られ、取り壊されることになった。そのため、ヴィクも事務所を引っ越す予定である。
- 離婚歴
- 1回。25歳のときにリチャード・ヤーボローと結婚したが、18ヵ月後離婚。現在独身。
- 同居人
- なし。ひとり暮らし。
- 肉親
- 父親=トニー。ポーランド系アイルランド人。シカゴで警官をしていたが、ヴィクが26歳の時に肺を病んで他界。ヴィクのタバコ嫌いの原因となった。
母親=ガブリエラ。ナチの迫害を逃れてアメリカに渡ってきたイタリア人。ヴィクが15歳のときに死亡。元歌手で、ヴィクもオペラ歌手にさせたがり、存命中は彼女に歌のレッスンを強いた。気性が激しく、今もヴィクの性格に強い影響を残している。
母方の叔母=ローザ・ヴィグネッリ。ヴィクの母ガブリエラとの確執のせいで、今でもヴィクのことを憎んでいる。
父方の叔母=エレナ・ウォーショースキー。
いとこ=バーナード(ブーム・ブーム)。ヴィクトは幼い頃から仲がよかった。元アメフト選手で、その後、ユードラ穀物会社に勤めたが死亡。
親戚=アルバート・ヴィグネッリ。ローザの息子。公認会計士。
- ペット
- ゴールデン・レトリヴァーのペピーとその息子ミッチを、隣人と共同で飼っている。
- 生活習慣
- 愛犬ペピーを連れての毎朝のジョギング。その後のシャワー。タバコは嫌い。酒は飲む方である。好みはジョニー・ウォーカーの黒ラベル。食器はきれいなものがなくなるまで洗わない。だが、生ゴミはきちんと捨てているから「散らかし屋だが、無精者ではない」つもりでいる。現金以外の買い物は3回目の請求書が届くまで支払わない主義。
- 行きつけの飲み屋
- 「ゴールデン・グロー」。ダウンタウンにある、前世紀に建てられた小さな酒場。つけで飲める。バーテンのサルから月末に請求書が届き、期限通りに支払いをしている。
- 武器
- スミス&ウェッソン、万能鍵。
- 愛車
- 何台か大破している。シェヴィ。オメガ、シェヴィを経て、現在エアコン装備のトランザム。
- 友人
- シャーロット(ロティ)・ハーシェル=産婦人科医。ヴィクよりずっと年上で、彼女が一番信頼している女性。母親代わりのような役割も。
マリ・ライアスン=『ヘラルド・スター』紙記者。時として友人、恋人、仕事上のライバルに。新聞記者の立場を利用して、ヴィクにいろいろな情報を提供してくれる。
ボビー・マロリー=警部補。亡父の旧友。ヴィクが犯罪事件に首を突っ込みたがるのを快く思っていない。それが理由で彼女とはしばしば口論になるので、一見仲が悪そうに見えるが、彼女を愛情をもって見守る人々のひとりである。
- 隣人
- サル・コントレーラス。アパートの階下に住んでいる78歳の独身男性。ヴィクの保護者気取りで、彼女を「嬢ちゃん」あるいは「クッキーちゃん」と呼ぶ唯一の存在。通称ミスタ・コントレーラス。
- 恋人
- コンラッド・ローリングス。黒人部長刑事。30代前半の頃はほどほどに奔放だったが、コンラッドに落ち着き、「相手の昔の恋人に嫉妬を感じた」りしている。最近、すれ違いや、彼の母親の、ヴィクへの冷たい態度などの理由で衝突も多い。
- 専属弁護士
- フリーマン・カーター。ヴィクの前夫のいる法律事務所クロフォード・ミードのパートナーで、刑事事件担当。法律的な面でのヴィクのいい助っ人。
- 宝物
- 母がイタリアから逃れてきた時に持ってきた、赤いヴェネチアン・グラス。しかし、アパートの火事等で2個割れてしまった。
- 学歴
- 高校生の頃、バスケットボールで優秀な成績を収め、シカゴ大学にはスポーツ奨学金を受けて入学した。