キンジー・ミルホーン

「女探偵で読む!ミステリ読本」アスペクト(1999)より一部抜粋

キンジー?アン・ヘッシュ

本名
キンジー・ミルホーン
生年月日
5月5日
身長
5フィート6インチ(約168センチ)
体重
118ポンド(約53.5キロ)
ヘアスタイル
髪の毛はダークで多い。以前はショートだったが、今は少し伸びてストレート。普段は6週間おきに爪切バサミで自分で手入れをする。子犬の尻のようだと揶揄されるヘアスタイル。 眼色:はしばみ色(黄褐色)
ファッション
こだわりはまったくなし。自分を綺麗に見せることにはあまり興味がない。普段着は、上は季節によってタンクトップかタートルネックのセーターで、下は体にぴったりしたジーンズ、靴はブーツかテニスシューズ。ウィンドブレーカーやデニムのベストを組み合わせることも。家の中ではスウェットシャツにリーボックの靴。とっておきはツイード・ブレザー。ひと振りすればシワが取れる黒いドレスを一枚と、ローヒールの靴を持っていて、冠婚葬祭やパーティーなど改まった場にはそれを着用。いわく「全TPO用のドレス」。
メイク
ほとんどしない。化粧品のメーカーはとくに決めていない。特価品を使用。口紅はつけても鏡を見て似合わないと感じ、落としてしまうことがある。ユリの花の香りがする安物のコロンを所有。
容姿
めったに化粧をしないので「すくなくとも朝起きた時の顔が一日中変わることはない」。自分では決して美人ではないと思っているが、他人からは整った顔立ちと評されている。眉毛の手入れは今後もしないと決めている。鼻は2度折っているわりには跡も残らずまっすぐしている。歯並びは、本人としてはまあまあ満足している。「顔の美貌はわたしにとってはさほどの関心事ではない」と言い切る。
性格
精神的にも経済的にも自立しようという意識が強い。人付き合いが得意ではなく、基本的に孤独を好むタイプ。天涯孤独で他人に干渉されることを嫌う。だが、実際クリスマス休暇で、大家のヘンリー・ピッツ、行きつけのダイナーの女店主ロージーらが町から姿を消すと、帰りを心待ちにしつつ、他人には見つからないよう自分の部屋でワッと泣くこともある。人から侮辱されることに耐えられない。痛みに対しては極端に臆病で、体を刺されるか友人を裏切るかと問われたら、後者を選ぶと考えているほど。やや潔癖症的な面がある。ファッションには興味はないと宣言しているが、友人ヴェラに外見や男のことでからかわれるとムキになる一面も。
職業
私立探偵。個人経営ゆえ、すべての調査、事務、雑務をひとりでこなさなければならない。地道な調査活動と「創意工夫、忍耐、ちょっとしたつき」が必要というのが探偵稼業に対する見解。調査資料を3×5インチ四方のインデックスカードにすべて収めるシステムが特徴的。資料をまとめる時には、データの紛失の心配がないという理由から、古い型のタイプライターを使う。カリフォルニア信用保険会社と非公式に契約があったが、現在は契約を破棄されてフリー。私立探偵を営む以前は警察官として2年間勤務していた経験がある。警察官を辞めた経緯についてはあまり語りたがらない。
依頼料
1時間30ドルと諸経費。前金として最低千ドルは要求している。また探偵業の収入が少ない月は、1回につき20ドルの令状送達を請け負うこともある。
職場
カリフォルニア信用保険との契約時はオフィス提供を受けていたが、現在は弁護士ロニー・キングマンの事務所「キングマン・アンド・アイヴズ法律事務所」の1室に間借り。それほど広くはないオフィス内には、デスク、回転イス、ファイル・キャビネット、小型冷蔵庫など必要なものがひと通り揃っている。引っ越し以来積みあげたままのダンボール箱の山が目立つ。
住居
カリフォルニア州サンタ・テレサ在住。サンタ・テレサはロサンゼルスから95マイル北にある海に面した町。人口8万人。ヘンリー・ピッツの所有するガレージを借りていたが、ある事件で爆破される。現在は再び立て直されたアパートに住む。部屋の中は、つややかなチーク材とオーク材張りの壁に収納スペースが広く作られている。客用のソファ・ベッドが組み込まれた出窓がある。ふたつある出窓のうちのバスルームからは太平洋を眺めることができる。
家主
ヘンリー・ピッツ=元パン屋。86歳。クロスワードパズル愛好者。自分でもパズルを作り、キンジーに解かせることも。キンジーは彼を「知性と元気に桁はずれのエネルギーに満ちている」と評する。
離婚歴
2回の離婚歴がある。どちらも20代の時。「2度の結婚生活で覚えているのは劇的な事件や悲しみばかり」と述懐し、現在の家庭とは無縁なライフスタイルに満足している。2番目の夫ダニエル・ウェードとは事件を介して再会する。
肉親
5歳のとき、ドライブ中に落石事故で両親を失う。兄弟姉妹はいない。現在扶養家族なし。伯母(母の姉)に育てられる。伯母はしっかりとした女性で不良だったキンジーに根気よく接し、ついに更正させた。
恋人
ロバート・ディーツ=私立探偵。50歳。ボディーガードをしてもらった縁で付き合い始める。恋人に近いというのが実際のところ。「私立探偵同士の恋愛というのは奇妙で実に不思議なもの」と感じている。
学歴
小学校時代は嫌な思い出ばかり。中学に入る頃から劣等生になり、素行のよくない男子生徒と付き合っていた。高校をやっとのことで卒業。ジュニアカレッジに3学期だけ在学し、その後警察学校に通い卒業。
武器
セミオートマチックとヘッケラー・アンド・コッホの2挺の銃を所有。持ち歩くときはブリーフケースに入れる。射撃は8歳の頃から始める。
愛車
1974年モデルのフォルクスワーゲン。ボディは古サビが斑点状に浮かんだうすい青色。汚れが目立ちやすいのが欠点。
食生活
きわめてお粗末。外食が大半。コレステロールと脂肪の摂り過ぎを気にしているので意識して繊維質のものを食べようと心がけるが、ジャンクフードは手放せない。結局のところ、腹いっぱい食べることが手っ取りばやいというのが本音。料理はほとんどしない。してもサンドウィッチを作る程度。
趣味
これといってなし。平常時に朝のジョギングを欠かさないことが唯一の趣味。そのほか、週3回トレーニングジムへ通い、1回45分間のトレーニングをする。
嗜好品
ピーナッツバター&ピクルス・サンドウィッチ。
タバコ
吸わない。タバコの煙を有毒ガスとたとえるくらいに嫌っている。
好きなもの
海。見ているだけで幸福感に満たされる。ただし見ているだけ。「噛んだり、刺したり、触手をのばしたり、はさみを持っていたりする生き物がいる海の中に入る気はしない」のだ。
苦手なもの
注射針が大嫌い。注射器を見ただけでめまいがする。他人が注射をされいるのを見て失神したことがある。ほかに毛虫やゴキブリも嫌い。
貯金
2万5千ドル。これがあるから、気の乗らない依頼は断れると強気になれる。
行きつけの店
「ロージーの居酒屋」。偏屈で無愛想な女主人ロージーが経営するバー。キンジーのアパートから半ブロックほど離れた場所にある。以前は「洞窟のように薄暗くて、たえず衛生局に目をつけられていた」というが、現在は大勢の客でにぎわう。キンジーは客の入らなかった頃の方が良かったと思っている。ロージーは自分がすすめる料理を注文しないと機嫌が悪くなる。
ギャンブル
しない。自分を強運とは思っていない。興味もなし。
特技
文字を逆から読むことができる。編み物。あまり人には知られていないが、ヘンリーにマフラーを編んでプレゼントしたことがある。
inserted by FC2 system