エラリイ・クイーン

「海外ミステリ・ガイド」仁賀克雄著(1987)より一部抜粋

ヴァンスに次いで出たアメリカの名探偵にエラリイ・クイーンがいる。パズル・ストーリーの二大探偵である。作家と探偵名を同一にしたのも特色がある。1929年「ローマ帽子の謎」で登場したクイーンは、ニューヨーク市マンハッタンに、父親で市警の警視リチャード・クイーンと一緒に住み、職業はミステリ作家の素人探偵だった。身長は6フィートを越し、肩は角張ったスポーツマン・タイプの青年で、秀でた眉の線の細い面長の顔に縁なしの鼻眼鏡を掛けている。趣味は初版本の収集で作者の趣味が反映している。ヴァンスほどスーパーマンではなく、平凡なアメリカのインテリ青年といったところ、父親のアドバイザーから次第に探偵として能力が認められる。美しい秘書ニッキイ・ポーターと共に万年青年の面影を宿している。

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