人種差別さめやらぬ1907年のニューオーリンズ。外見は白人ながら黒人の血を引く異端の私立探偵ヴァレンティンは、娼婦ばかりを狙った猟奇殺人事件に巻き込まれる。現場には黒い薔薇が遺され、被害者全員が死の直前に彼の親友のコルネット奏者バディと会っていた……。複雑に絡み合うプロットと渇いたノスタルジーで、アメリカ私立探偵作家クラブ賞に輝いた、歴史ノワールの逸品。