広告主が訪れる火曜日のピム広報社は賑わしい。 特に厄介なのが金曜掲載の定期広告。 こればかりは猛者揃いの文案部も鼻面を引き回される。 変わり者の新人が入社してきたのは、その火曜日のことだった。 前任者の不審死について穿鑿を始めた彼は社内を混乱の巷に導くが……。 広告代理店の内実を闊達に描く本書は、真相に至るや見事な探偵小説へと変貌する。