デス・コレクターズ
著作名
デス・コレクターズ
著者
ジャック・カーリイ
ジャンル
サスペンス
星の数
★★★★
出版社
講談社文庫
原作出版
2005
備考
末尾解説(福井健太)より抜粋

1972年、モビール郡裁判所ではマーズデン・ヘクスキャンプに判決が下されようとしていた。彼はカルト的なコミュニティを主宰し、多くの人々を手にかけた殺人鬼だった。その死刑が宣告された直後、法廷に現れた“泣く女”がヘクスキャンプを狙撃。ヘクスキャンプは「追え……輝かしいアートを」という言葉を残して絶命し、女もまた拳銃で自殺を遂げてしまう。

そして現在――「僕」ことカーソン・ライダーと同僚のハリー・ノーチラスは「しばらく前に発生した検死局がらみの殺人犯を追いつめた」(『百番目の男』で描かれた事件)ことで“モビール市警最優秀刑事”として表彰されることになった。パーティー会場へ向かう途中、二人は“オレンジ・レディ”が射殺された事件に遭遇する。その翌日、モーテルで女の全裸死体が発見された。死体の両目には火のついたキャンドルが置かれていたらしい。現場にはルービン・コイル弁護士の指紋が残されていたが、彼は五日前から行方不明。彼のもとには小さな“アート”が届いていたという。

被害者が拷問されていたこと、一度埋めて掘り返されたことなどが判明するが、身元の特定には到らなかった。カーソンは通話記録を調べ、警察に「モーテルの部屋で殺された売春婦のことを教えてくれ。アートに関してはどうだ? そんなものが見つからなかったか?」と尋ねてきた年配の男――ジェイコブ・C・ウィロウを訪ねることにした。ヘクスキャンプの事件を担当していた元刑事の彼は、今回の事件とヘクスキャンプの凶行が似ていると指摘し、ヘクスキャンプが“アート”を残していたという説を語る。そして「シリアル・キラーの記念品コレクター」を調べろとカーソンに命じるのだった。


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