告解
著作名
告解
著者
ダニエル・シルヴァ
ジャンル
冒険小説
星の数
★★★★
出版社
論創社
原作出版
2003
備考

ミュンヘン――。大学の客員教授で、世界的ベストセラーとなったヴァンゼー会議を扱った『ヴァンゼーの陰謀――再検討』につづく新作にとりかかっていたベンジャミン・スターンが、何者かに暗殺された。暗殺者が遺した言葉は「我、汝の罪を赦さん、父と子と精霊の御名によって、アーメン」

ヴァチカン市――。ポーランド人教皇の後継者を選ぶコンクラーヴェで、教会組織の規律やローマ教皇の影響力を守ろうとする教条的な強硬論者たちが推す国務長官マルコ・プリンディシ枢機卿を破って、穏健派の推すヴェネチアの大司教ピエトロ・ルチィッシが選ばれ、パウロ七世となった。世界的に信者が減り、危機にひんしている教会に革命を起こすために、ある危険な戦略を秘かに進めているルチェッシに、秘書のルイジ・ドナーティが耳打ちする。「ベンジャミン・スターン教授が殺害されました」

ヴェネチア――。ベッリーニの聖母マリア像の頭を修復している、五十一歳のマリオ・デルヴェッキオは、十六世紀に嫌われ者のユダヤ人たちを閉じこめたゲットー・ヌオヴォで、イスラエルの秘密機関<オフィス>に隠然たる影響力をもつアリ・シャムロンに会う。マリオは実はイスラエル人カブリエル・アロンで元暗殺工作員、ミュンヘンで殺されたベンジャミン・スターンもまた。「ベンの義兄になってベンジャミンのアパートをじっくり見てきてほしい」とシャムロン。

本書『告解』の幕開きである。ベンジャミン・スターンはなにを追跡し、誰に、なぜ殺されたのか?


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