謀略上場謀略上場
著作名
謀略上場
著者
クリストファー・ライク
ジャンル
冒険サスペンス
星の数
★★★
出版社
ランダムハウス講談社
原作出版
2002
備考

訳者あとがきより
  バブル期にインターネット関連企業の新規上場(IPO)を手がけて急成長したブラック・ジェット証券は、バブル崩壊で大型の新規上場が激減し、会社存続の危機を迎えていた。会社設立者でオーナーのジェット・ギャヴァランは、国際企業の上場に活路を求めて、インターネット市場が急成長しつつあるロシアに目を向ける。

そこに登場したのが、新生ロシアを象徴するような洗練された物腰の国際ビジネスマン、コンスタンチン・キーロフだ。ロシアのオリガルフ(新興財閥)キーロフが立ち上げたマーキュリー・ブロードバンドは、六日後にニューヨーク証券取引所に上場することになっている。二十億ドルの新規公開を扱う主幹事会社にモルガンやゴールドマンを差し置いてブラック・ジェット証券が選ばれたのは、信じられないような幸運だ。これで会社の経営は一気に好転すると思われた。

ところが、IPOの数日前になって、ネット上に悪いうわさが流れた。マーキュリー・ブロードバンドはインフラや経理の数字をごまかしており、ブラック・ジェット証券も詐欺の片棒をかついでインチキ企業を上場しようとしている、という記事だ。こんなうわさが広がれば、IPOの成功が危うくなる。ギャラヴァンは真相を確かめるべく、空軍時代の上官でブラック・ジェット証券設立当初から自分の右腕として働いてきたグラフトン・バーンズをモスクワへ派遣した。

そのバーンズから、約束の時刻に連絡がない。ギャヴァランが感じていたかすかな不審が、次第に大きくなる。やがて、バーンズがロシアで拘束されたことを知り、イラク戦争でトップガンとして鳴らしたギャラヴァンの中に怒りの闘争心が燃え上がる。うそをついているのは誰か? 背後で協力しているのは誰か? 無二の親友を奪還し、腐敗と陰謀の闇をあばき、やられた分をきっちりやり返すために、ギャラヴァンはフロリダへ飛び、ジュネーヴへ飛び、ついに敵の手に落ちてロシアへ……。

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