警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。
何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。
だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。
マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。
それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは…
MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、男性社会の警察機構で生きる女性たちを描く十篇を収録。
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。