- 著作名
- 石の猿
- 著者
- ジェフリー・ディーヴァー
- ジャンル
- ミステリ
- 星の数
- ★★★★
- 出版社
- 文春文庫
- 原作出版
- 2001
- 備考
-
嵐に見舞われた夏の早朝、ニューヨーク郊外ロングアイランド沖で一隻の貨物船が爆破され、沈没した。中国からの不法移民を乗せた船だった。
船を爆破したのは、大量殺人者として国際的に指名手配されている蛇頭“ゴースト”だった。“ゴースト”はアメリカの沿岸警備隊に追尾されていることに気づき、貨物船ごと――移民と乗組員に十数名もろとも――海の底に沈めたあと、船から脱出し、波高い海を救命ボートでかろうじて岸に流れついた移民のうち数名を殺害して姿を消した。
沈没を生き延び、さらに“ゴースト”の魔の手からも逃れることができたのは、わずか十人ほどの移民だけだった。駆けつけた警察によって、そのうちの一人は保護された。しかしほかの十人はすでに海岸から逃亡したあとだった。
アメリア・サックスによる現場鑑識の結果、蛇頭“ゴースト”は、殺された移民たちを、まるで処刑するかのように冷酷に射殺していることがわかった。おそらく“ゴースト”は、自らの犯罪の証人でもある逃げ延びた移民たちの行方を突き止め、皆殺しにするつもりであろう。
“ゴースト”冷酷な殺し屋“ゴースト”が逃げ延びた移民の行方を突き止めるのが先か。あるいは、リンカーン・ライムが移民たちを見つけ出して保護するか、ゴーストを捕らえるかするほうが先か。
ニューヨークのチャイナタウンを舞台に、文字どおり顔の見えない“幽霊”のごとき敵との競争が始まった。