子供の眼 子供の眼
著作名
子供の眼
著者
リチャード・ノース・パタースン
ジャンル
ミステリ
星の数
★★★
出版社
新潮文庫
原作出版
1994
備考

メイン・キャラクターは、サンフランシスコの弁護士クリストファ・パジェット。17年前に大統領の汚職を暴いて失脚させ、その当時恋愛関係にあったメアリ・キャレリが生んだ子供カーロを、7歳のときに引き取り、さらにその8年後、殺人容疑で起訴されたメアリ・キャレリの弁護を務めた。その抜群の知名度、好感度、さらにはリベラルな政治姿勢に目をつけられて、カリフォルニア州民主党から上院議員選挙への出馬を要請される。

サブ・キャラクターは、キャレリ裁判でパジェットの補佐役を務めたテリーザ・ペラルタ。30歳のヒスパニックで、離婚訴訟中の夫とのあいだに、6歳のひとり娘エリナがいる。その夫リカード・エイリアスというのが、なんとも食えない男で……。

脇役の一番手は、キャロライン・マスターズだろう。キャレリ裁判では名判事ぶりを発揮して、一躍名を上げた。今回は、被告側弁護人としての登場。本書後半の大部分を占める後半場面では、被告が証人台に立たないという致命的なハンディを負いながら、惚れ惚れするような弁論の大立ち回りを披露してくれる。

敵陣も充実している。キャレリ裁判で苦い敗北を味わった地区検事長マッキンリー・ブルックス。その後釜を狙う野心満々の秀才型検事ヴィクター・サリナス。そして、背後には、前作に引き続いて、どす黒い“巨悪”の影が……。


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