ブラック・ウォーター
著作名
ブラック・ウォーター
著者
T.ジェファーソン・パーカー
ジャンル
ミステリ
星の数
★★★
出版社
早川書房
原作出版
2002
備考

鋭い光に目がくらんだ。もう手遅れだ。
目の前でオレンジ色の閃光が炸裂した。
グウェンを守れない……。

女性の身でオレンジ郡保安官事務所の殺人課を仕切る巡査部長マーシ・レイボーンには、試練の事件だ。保安官事務所の身内であるアーチー・ワイルドクラフト保安官補の自宅で惨劇が起きたのだ。妻のグウェンがバスルームで射殺され、アーチー自信も頭部に銃弾を受けた人事不正の状態で発見されていた。

状況から見て、妻を射殺したアーチーが自らにも銃口を向けた無理心中事件と思われる。しかも彼ら夫婦は身分不相応の邸宅に住み、収入以上の生活を送っていた。経済的に追い詰められたアーチーが、覚悟の行動を起こしたのだろうか?

だが、マーシは割り切れないものを感じる。状況に不自然な点が多過ぎるうえ、周囲の語る事件前の夫婦の生活からは事件の前兆すら嗅ぎ取れないのだ。やがて昏睡からさめたアーチーは記憶の一部を失っており、自らの無実を語ることも出来ない。

マスコミの圧力が高まり、マーシの疑惑をよそにアーチーの起訴を急ぐ検察局。だが彼女は事件の陰に大きな闇の存在を感じ始めていた……。


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