夜勤刑事
著作名
夜勤刑事
著者
マイクル・Z.リューイン
ジャンル
警察ミステリ
星の数
★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1976
備考

午後六時四十六分、警部補のパウダーは「おはよう」と声をかけながら夜勤部屋に入った。空き巣六件、武装強盗に暴行、爆弾騒ぎが各一件。そして午前二時五十二分、彼はパトカーを降りると寒空に白い息をはき、崩れた家の瓦礫の山に横たわる死体のほうへ歩いていった。彼女の顔と指はレンガで叩きつぶされていた。

これで二件目だった。地区こそ街の反対側が、昨夜も指紋をつぶされた若い女の絞殺体が発見されたのだ。もちろんパウダーには、二つの殺人が関連していると断定する根拠はなかった。翌日九時、髪をポニー・テールにしたレックスという高校生がパウダーのところに回されてきた。「毛沢東語録」を信奉しているその少年は、私立高校内部の不正を漏れ聞いて相談に来たのだった。数日後、そのユニヴァーシティ・スクールに押し込み強盗が入り、チェリーという女子高校生が不正にからんで行方不明になっていることが判明した。中国かぶれの少年が、チェリーを探そうと、盗んだ金で私立探偵のアルバート・サムスンを雇ったのだ。

最後の最後まで隠される、未曾有の凶悪犯罪とは? インディアナポリスの夜を守る刑事、リーロイ・パウダー登場。ハードボイルド派の異才が、シリーズの私立探偵アルバート・サムスンを好脇役に、怒り、迷い、恋に悩む生身の刑事の肖像を描きあげた傑作警察小説。


inserted by FC2 system