ウォレンにとっては、最悪の金曜日だった。朝の鴨撃ちでは一羽も獲物がなかった。それからオフィスに出ると旅行中の妻から電話で、滞在予定をもう二日延ばすという。次は保安官から、狩猟仲間のロバーツが今朝、猟場で銃の暴発で死んだのだ。
帰ろうとするとまた、保安官から電話が入り、ロバーツの死は他殺だというのだ。帰宅すると知らない女から電話が、「ロバーツ一人殺したって無駄よ。奥さんの相手は他にもいるんですからね」ウォレンは一笑に付したが、疑惑が忍び寄るのはどうしようもなかった。調べてみると妻は六千ドルの金を何かに使っていた。しかもホテルには妻はいなかった。
それから、ふたたび保安官からお呼びがかかった。匿名電話でウォレンが犯人だと密告があったのだ。怒って家に帰った彼を待っていたのは妻の死体だった。