我輩はカモである
著作名
我輩はカモである
著者
ドナルド・E.ウェストレイク
ジャンル
ユーモアミステリ
星の数
★★★
出版社
角川文庫
原作出版
1967
備考
海外ミステリ全カタログ'96年版より

この話の主人公の僕、フレッド・フィッチは疑うことを知らない人間なんだ。いつも詐欺師のカモになってきた。ちょうどその電話がかかってきた時も詐欺に引っかかったばかりで、その話も詐欺に違いないと思っていた。三十万ドルの遺産なんて詐欺に決まっている!

しかし、その遺産の話は本当だった。その伯父の顔は見たこともなかったが、実際に三十万ドルの大金を僕に残していた。しかし、手続きをしてくれた弁護士のグッドカインドは見るからにイカサマ臭い男だし、伯父を死ぬまで世話していたガーティというこれまた怪しい女も僕のところに訪ねてきた。どうも伯父は有名な詐欺師だったらしい。アメリカ中西部を荒らし回って、メキシコに渡ったという。しかし、伯父がどうやってそんな大金を作り出したかは謎だ。だけど詐欺のカモになってばかりいる僕が詐欺師から大金を受け取るとは何たる皮肉だ! 三十万ドルをもらったのはいいけれど、何か狙われているような気がする。車から狙撃されるし、尾行もされているようだ。伯父は誰かに殺されたらしいのでそれとも関係があるのかもしれない。そうこうしているうちにガーティが誘拐されてしまった。旧知の友人で詐欺捜査課のジャックに連絡したけど行方は分からない。僕はどうしたらいいんだろう? 会う人全員が腹に一物持っているような気がする。そこで僕はまず伯父が手に入れた金の出所を突き止めることにしたが――。


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