逃亡者のF
著作名
逃亡者のF
著者
スー・グラフトン
ジャンル
女性私立探偵
星の数
★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1989
備考

キンジーは、癌で余命いくばくもない老人の依頼を受ける。息子ベイリーの無実を証明してほしいという。ベイリーは17年前恋人ジーンを殺害した罪で起訴されたが、脱獄。ずっと逃亡の身だったが、最近警察に逮捕された。報告書では、殺されたジーンはちょうど妊娠中だった。ベイリーの話では、父親は彼ではなく別の男。ジーンはベイリーのほかにも多くの男たちと関係があったらしい。キンジーは独自に、17年前の事件を捜査する。

過去の事件の、隠された人間関係があらわになっていくプロットの見事さは、グラフトンが目標とするロス・マクドナルドの域に近づきつつあるのではないか。肩肘はらない、まさに自然体のヒロインの行動、行間から溢れる西海岸の風・陽光・街のたたずまいなど魅力に溢れたシリーズとなっている。


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