地滑りの起こりやすい峡谷にダムを建設するという話で、バグリイは地質屋を主人公にしている。 地滑りが於きやすいとはどういう状態なのか。 揺変性というのが最初の鍵である。 これはゆれると変化するという意味で、この特性をもっているのが流泥粘土である。 つまり流泥粘土は振動を与えると泥水に変化してしまう。 もし有史以前からのそんな場所に、人間が構築物を立てるとしたら、どんなことになるのだろう。 そのような場所とは一体どこにあるのだろう。 誰が? 何のために……?