<白い僧院>と呼ばれる邸の別館〈王妃の鏡(クイーンズ・ミラー)〉で、女優マーシャ・テートは絶命していた。他殺なのは誰の目にも明らかである。だが、別館を囲む新雪には発見者の足跡が一筋残されているだけだった。本書は“雪の密室”テーマの最高傑作として知られるだけでなく、その考え抜かれた謎の構成から、“不可能犯罪の巨匠”の残した数多くの名作の中でも代表作の一つに数えられている。