皇帝のかぎ煙草入れ
著作名
皇帝のかぎ煙草入れ
著者
ジョン・ディクスン・カー
ジャンル
本格推理
星の数
★★★
出版社
創元推理文庫
原作出版
1942
備考

女たらしのテニスプレイヤーと離婚したイーヴ・ニールに縁談がもちあがった。相手は向かいの家に住む金満家のローズ家の息子だ。
ローズ家の人々と観劇に出かけた夜、別れた前夫ネッドが忍び込んできた、復縁を迫りにきたのだ。
向かいの部屋の老人に、この修羅場を見られてはいけないと、彼女は明かりを消しカーテンを引くようにネッドに頼む。

彼はカーテン越に向かいの部屋をのぞきこんだ。
老人は机に向かって、かぎ煙草入れのようなものを眺めているところだという。
そのとき部屋にもう一人の人物を認めたが、それが誰なのか口にせず、再びイーヴに迫ってきた。

しばらくもみ合った後、ネッドの手を逃れて窓際へ行ったイーヴがカーテンの隙間から老人の部屋をのぞくと、モーリス卿は机の上に突っ伏しているではないか。 そして手袋をした手が、今まさに部屋から出て行くところだった。

何か変事が起きたのだ。

目撃者であるイーヴは犯人であり得ないのだが、ひょんなことから容疑者ナンバーワンに指名されてしまう。
アリバイを証明してくれるのは前夫だが、密会をしていた事実を知られては結婚話がこわれてしまう。しかも、前夫はイーヴ邸を辞したとき、階段を踏み外して脳震盪をおこし意識不明の状態だ。

英国一の犯罪心理学者、ダーモント・キンロスはイーヴの容疑をはらせるか?


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