ナイン・テイラーズ
著作名
ナイン・テイラーズ
著者
ドロシー・セイヤーズ
ジャンル
本格推理
星の数
★★★★
出版社
創元推理文庫
原作出版
1934
備考

九つの鐘という意味で、男の死人が出たときに鳴らすものだが、もうひとつ、この作品に出てくるテイラー・ボールという鐘の銘に「キリストついに死に給い、人の罪おこる時、テイラー(仕立て屋)はナイン(九つ)で一人前になる」と書かれていることにかけてある。

この作品は愛書家の貴族探偵ピーター・ウィムゼイ卿が活躍する長編の第11作で全編に鐘のことが散りばめられている。

多彩な音色を出す鐘で新年に鐘楽を打ち鳴らすのを自慢にしている地方の教会の教区長からウィムゼイ卿に一通の手紙が舞い込んだ。
現地の旧家であるソープ家の昔亡くなった夫人の墓を開けたところ、墓穴から見知らぬ男の死体が出てきたというのである。
顔面はすでに原型をとどめず、死体の両手は手首のところから切断されていて身元がつかめない。
名探偵ウィムゼイ卿は捜査に乗り出すが……。


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