レッド・オクトーバーを追え
著作名
レッド・オクトーバーを追え
著者
トム・クランシー
ジャンル
冒険小説
星の数
★★★
出版社
文春文庫
原作出版
1986
備考

原潜特有の音を消す装置を備えた、ソ連の最新型原子力潜水艦レッド・オクトーバー。
米国CIAは、海上からの探知が極めて困難な、この潜水艦の写真を英国情報部から極秘に入手、消音装置の分析を続けていた。
ちょうどこの頃、レッド・オクトーバーの艦長でソ連海軍のマルコ・ラミウス大佐らは、大がかりな原潜探知作戦の演習の最中に国外亡命を企てていた。
これを知ったソ連軍部は海空軍を動員して捜索を開始、発見しだい直ちに撃沈せよという言明を下す。
が、この動きを察知した米国は、レッド・オクトーバーを無事に捕獲する作戦を展開、見事にそれに成功する。

大ベストセラーの国際サスペンス小説。

映画にもなり、わりと評判はよかった。

内藤陳のお薦め文
  ソ連海軍の誇りにして、排水量三万二千トン、最新鋭ミサイル原潜レッド・オクトーバーが処女航海の任務に就いた。だがラミウス艦長と、彼の士官たちは、原潜ごと、アメリカへの亡命を企てたのである!

レド・オク(レッド・オクトーバー)の機密とは?

潜航中の艦を探知するのは、ソナーがスクリュー音を捕えるからだ。では、スクリュー以外の推進装置があったとしたら、未来の海戦はガラリと様相が変わるはず。

このレド・オクこそ“キャタピラー”を備えて無音潜航の可能な秘密兵器だったのである。

亡命を知ったソ連海軍も黙っちゃいない。攻撃型原潜V・K・コロヴァロフをはじめ五十八隻ほか、巡洋艦キーロフ、空母キエフも波高シ! 総力あげて追跡出撃だ。場合によっては撃沈指令!

片や、米国家安全保障会議は、英海軍との協力のもとに、レド・オクの捕捉に乗り出した。

今や、北大西洋は三国入り乱れて、一触即発、危機濫発、ボタン一ツが世界の破滅!

ソ連書記長と米大統領が、ホットラインで虚々実々・丁々発止とやり合えば、ヤク‐36対グラマンF-14も空中戦アリ。

魂冷却恐怖の原潜事故アリ。

一見平和時でも繰り広げられている、海面下の戦いがエスカレートする。

大国同士が死命を賭けて、最新鋭エレクトロニクス兵器の優劣比べだ。こいつはとにかく驚くぞ。

そして使いこなせるのは、やはり知(カン)に勝れた者でしかない――陳メ嬉しやホウヤレホ。

原潜ダラスのソナー要員ジョーンズは、レド・オクの発する特殊で微かな音を捕えることに成功する! (モウケ役だが熱演デス)

これほどの超スケールには当分お目にかかれまい。ハレー彗星なんのその、読むなら今、この時だ!

情感の書きこみ、今イチながら、これでデビュー作なら大満点。

早く早くと、次作も待たれる宝船なのです。


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