別れを告げに来た男
著作名
別れを告げに来た男
著者
ブライアン・フリーマントル
ジャンル
スパイミステリ
星の数
★★★★★
出版社
新潮文庫
原作出版
1989
備考

ソ連の宇宙工学の第一人者パーヴェルが亡命してきた。
やはりひと月前に亡命したパートナーのベノヴィッチとは比較にならない重要人物だ。
英政府をはじめ各機関が色めきたつ。
だが事情聴取官のドッズは、パーヴェルの自信に満ち溢れた態度と、亡命者にありがちな罪悪感が希薄なことに疑念を持った。
あまりのタイミングの良さには隠された意図があるのではないだろうか。
ドッズはじっくり腰を据えて尋問を試みようとする。
しかし彼の漠然とした不安は誰にも理解されず、政治的圧力を理由に手順を無視した尋問を要求された。
それは亡命者への迎合を意味し、パーヴェルの要求どおり、ベノヴィッチとの面会も許可された。
だがその直後、パーヴェルは態度を急変させ祖国への帰還を申し入れた。
ドッズの正しさが裏付けられたが、なすすべもなくパーヴェルは帰国していった。
はたして彼の真の動機は何であったのか、ドッズが真相に気がついた時にはすでに……。


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