北壁の死闘
著作名
北壁の死闘
著者
ボブ・ラングレー
ジャンル
山岳冒険小説
星の数
★★★★★
出版社
創元推理文庫
原作出版
1980
備考

アイガー北壁の《神々のトラバース》と呼ばれる地点で、上半身氷漬けになったナチ軍人の死体が発見された。
警察はなぜか発見者に口止めをし、その遺体を回収した。
だが、BBC局員が、意外な事実を探り出す。
1944年7月、ドイツは原子爆弾の開発に最後の望みをかけて、アイガーに隣接するメンヒとユングフラウ両山頂の間にある研究施設から原子物理学者を誘拐する計画を立てた。
奇襲部隊は、故あって登山をやめていた天才クライマー、エーリッヒ・シュペングラー以下、ドイツ山岳歩兵師団の精鋭たちと女医。
一行はグライダーで侵入し誘拐に成功するが、それを知ったアメリカ軍の追撃を受けた。
吹雪のなか追い詰められた彼らの脱出路は、シュペングラーの暗い過去につながる“魔の北壁”しかなかった。
人の侵入を拒み、太古の野獣さながらに聳え立つアイガー北壁。
その猛威にさらされながらも、なお挑み続けるシュペングラーたちの勇気。
正確で緻密、迫力溢れる登攀シーンが、物語を盛り上げる。
深深とした感動を呼ぶラストシーンも印象的。
まさに山岳冒険小説の最高傑作といえるだろう。


アイガー北壁

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