偽のデュー警部
著作名
偽のデュー警部
著者
ピーター・ラヴゼイ
ジャンル
ミステリ
星の数
★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1983
備考

クリッペン事件は、今世紀のイギリス犯罪史にその名も高い事件である。
1910年7月、妻を殺害したロンドンの医師ホーリイ・ハーヴェイ・クリッペンが、愛人とともに国外へ逃亡した。
その行方の捜査に、この時はじめて無線が使われた。
スコットランド・ヤードの警部ウォルター・デューが、海上のあらゆる船舶に通信を送ったのである。
アントワープからモントリオールへと向かうモントローズ号という船から、「二人が乗っている」という返信が戻ってきた。
かくてデュー警部は、速力のはやいローレンティック号に乗り込んでモントローズ号に追いつき、見事に二人を逮捕したのだが、無線を使用したために、その経過が新聞によって全世界に知られることになってしまった。
ただし、全く知らない人びとも存在した。
当のモントローズ号の乗客たちである。


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