ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ
著作名
ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ
著者
ジョン・ル=カレ
ジャンル
スパイ
星の数
★★★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1974
備考

奇妙なタイトルのスパイ小説だが、内容は複雑化する国際情勢の中にあって衰弱しつつあるイギリス情報部を鮮やかに捉えた秀抜なル・カレの作品である。
タイトルはイギリスに古くからある童謡からとったもので、ティンカー(鋳かけ屋)、テーラー(仕立て屋)、ソルジャー(兵士)……と、本文に登場するスパイの暗号名をあらわしている。
ジョージ・スマイリーは政府の仕事を引退したばかりの頭のいい人物だが、妻との間に離婚話が持ちあがっている。
こんなおり、友人とばったり会い、イギリス情報部の中枢に潜入した共産圏スパイを暴くため一肌ぬぐことを要請される。
精神的に打ちのめされ、反政府の側から追われる男が“二重スパイ”をどのように摘発し、情報部を立て直していくか?
若い情報部員候補者のジム・ブリドウと女性群像をタテ糸に、壮大なスパイ全滅作戦を展開していく不滅の英国人像を描く。

「スクールボーイ閣下」「スマイリーと仲間たち」と3部作を構成する。


inserted by FC2 system