寒い国から帰ってきたスパイ
著作名
寒い国から帰ってきたスパイ
著者
ジョン・ル=カレ
ジャンル
スパイミステリ
星の数
★★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1963
備考

密告され、負われる身となって西側に逃れてくる情報部員のカルルを待ちうけているリーマス。
彼も同じ西側の情報部員だ。
うまくごまかして西側に通じる検問所を突破したかにみえたカルルは一瞬、見破られて射殺されてしまう。

――冒頭からスリリングな展開で、すべての部下を失ってベルリンを去らねばならぬことになる一情報部員の運命がつづられている。
いったんは祖国のロンドンに戻って別の仕事に就職するが、それは表向きのこと。
やがて英気を養い、いくつかの作戦を携えて再びベルリンにやってくる。
リーマスの愛人リズとの間にかわされる極限状況下の愛の真実。
謀略と陰謀、危険と裏切りが常に同居するスパイ小説であり、最高のスリラー小説ともなっている。
複雑な東西間の冷戦を見事なプロットで美しく構成しており、世界のベストセラーとなったのもうなずける。

冷戦への憎悪を叩き込んだ作品。


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