料理人
著作名
料理人
著者
ハリー・クレッシング
ジャンル
ミステリ
星の数
★★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1972
備考

コブの町にふらりと自転車に乗って出現した男。
どうみても1.95mはある。痩せ細って、鷹のような顔つきをしている。身にまとうものはすべて黒一色。
名前はコンラッド、料理人だという。
彼はヒル邸の料理人として住みこむようになったが、その腕たるや、まことに冴えたものだった。
たちまちヒル夫妻の舌は篭絡され、ついにはヒル家の誇り高き猫まで彼の料理したものしか口にしなくなってしまうのだからすざましい。
息子のハロルドにいたっては、調理場に入りびたり、料理人志願を希求する始末。
ヒル家の同族ヴェイル家の一人娘で、ハロルドのいいなずけでもある“脂肪の塊”ダフネはコンラッドの料理を口にするや、すんなり細くなってしまうのです。
痩せていたヴェイル夫妻は逆に太ることができる。
ヒル家の健康は今やコンラッドの手中にあります。いや魂までもゆだねている。
コンラッドとはそも何ものか?


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