警察署長 警察署長
著作名
警察署長
著者
スチュアート・ウッズ
ジャンル
警察ミステリ
星の数
★★★★★
出版社
ハヤカワ文庫
原作出版
1981
備考

1920年の冬、ジョージア州の小さな町デラノ郊外の崖下で一人の若者の変死体が発見され、捜査はわずか数週間前に初代警察署長に就任したウィル・ヘンリー・リーの手に委ねられた。K・K・Kの仕業ともみられたが決め手となる手掛かりは得られず、未解決のまま、ウィルは別の事件に巻き込まれて不慮の死を遂げてしまう……。

時は流れて1946年。陸軍を除隊してデラノに帰還したウィルの息子ビリーは密かに政治家への野心を燃やしていた。時を同じくして復員したサニー・バッツ曹長も警察署への就職を決めていた――その時はまさか自分が署長になろうとは夢にも思わず。ところがバッツも黒人への差別意識が強烈なあまり、自ら破滅への道を辿ることになってしまった……。

そして1962年、タッカー・ワッツが初の黒人署長として華々しく就任する。が一方、地元の反動グループの反感と謀略の対象となって失脚寸前にまで追い詰められたり、前途は多難であった。折りしもケネディ政権下、ジョージア州副知事となったビリーのもとにも中央政界からの触手はのび、デラノの町は一躍脚光を浴びようとしていた。そして迷宮入りになっていた40数年前の殺人事件までもが一気に浮上してくる!

深南部の地方都市デラノの発展と生成を辿りつつそこの地方政治と人種問題を見据えたサーガであると同時に、長期にわたる犯罪小説的側面を併せ持つ、著者渾身の力作。1982年アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞受賞作!


inserted by FC2 system