北方水滸伝梗概

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(第一巻 曙光の章)

曙光の章中国、北宋末期。腐敗混濁の世を糺すために檄文を書き、同志を募る。それが役人、宋江の着手したことだった。その檄文を持って、花和尚・魯智深は全国を巡る。最初の同志は、豹子頭・林冲、行者・武松、青州の花栄、挿翅虎・雷横、神行太保・戴宗。一方、東渓村の名主、晁蓋呉用らとともに世直しを計り、兵を養うとともに盧俊義に闇塩の道を作らせていた。蜂起の日の財源のためである。
禁軍の武術師範、王進は、上司の高俅と衝突して、老母とともに開封府から逃亡する。史家村にたどりついた王進は、九紋竜・史進に武術を教え子午山に入って修行する。史進は小華山に朱武らと籠って、官に反旗を翻す。
林冲は、官の密偵集団、袁明率いる青蓮寺の李富に疑われて、滄州に流罪となるが、医師の安道全、盗賊の白勝らとともに破獄して、小旋風・柴進のもとに庇護される。
梁山湖に浮かぶ山塞には、王倫、杜遷宋万が籠って盗賊をしていた。宋江と晁蓋が結盟を誓い、反乱の拠点として山塞を奪うことを決める。

(第二巻 替天の章)

替天の章武松は故郷の寿陽の城郭に戻っていた。幼い頃から恋いこがれていた兄嫁の潘金蓮に会わずにはいられなかったからだ。武松は潘金蓮を犯して自殺させてしまう。絶望した武松は山に入って死のうとしたが、襲ってきた虎を撲殺して生きのびる。魯智深は武松を子午山の王進のもとに預けて、再生を希った。
呉用は、宋江の意を受けて、梁山湖の山塞に林冲と安道全を入山させる。林冲はその武勇を王倫に疎まれ、巡検視の青面獣・楊志と決闘させられたが、引き分けに終わった。
渭州の牢城に、かつて河水で叛乱を企てた公孫勝が捕らわれている。晁蓋は、魯智深、阮小五、史進、朱武らと渭州を襲って、公孫勝を開放した。公孫勝は、劉唐楊雄石秀とともに、特殊部隊、致死軍の組織を始める。
楊志は、梁中書より宰相、蔡京への賄賂の運搬を命じられた。それを晁蓋、呉用、公孫勝、阮三兄弟、白勝が謀をもって奪い、官軍に追わせて梁山湖の山塞に入った。拒絶する王倫を林冲が刺して、晁蓋が頭目となり、この地を梁山泊と名づけ、「替天行道」の旗を立てた。

(第三巻 輪舞の章)

輪舞の章青州の二竜山の山賊が、村を荒らしている。楊志は孤児を拾って、楊令と名づけた。そして魯智深と組んでニ竜山を奪い、梁山泊と絆を深める。梁山泊では軍制が再編され、梁山泊にいる者の序列が定められた。
魯智深は少華山を訪ねる。官軍に圧勝した史進に危ういものを感じて、魯智深は史進を子午山の王進に預けた。代わりに立ち直った武松を連れ出して、宋江の従者にした。
宋清は、兄の宋江のもとに向かう途中、柴進の密偵、鄧礼華と知り合い惹かれあう。宋江は鄧礼華を妾のひとりということにしたが、もうひとりの妾、閻婆惜が嫉妬して鄧礼華を殺し、宋清がその閻婆惜を殺した。宋江はふたりを自分が殺したことにして、武松とともに旅に出る。

(第四巻 道蛇の章)

道蛇の章宋江の追跡を命じられた雷横は、わざと宋江を逃がす。そのために青蓮寺の疑惑を招くが、切り開いて、先行していた朱仝とともに双頭山に籠った。一方、李富は閻婆惜の母、馬桂を抱きこんで、梁山泊への密偵に仕立て上げる。
宋江と武松は江州を目指して南へ進んだ。途中、穆弘穆春の兄弟と知り合い、志を説く。次に闇塩を扱う李俊と出会う。李俊は官に逆らって叛乱の兵を挙げ、穆兄弟は脇からそれを支援した。官軍との最初の衝突では、李俊軍は鮮やかに勝利する。
梁山泊には楊志が合流し、陣容がさらに整う。宋江と武松は、人を殺して追われる李逵と遇う、李逵の老母が虎に食われて、李逵がその虎を殺した。李逵は宋江の人柄に惹かれて、従者となる。江州に着いた一行を戴宗、張横張順が迎える。しかし、青蓮寺の黄文炳が宋江たちを確認した。

(第五巻 玄武の章)

玄武の章宋江らは長江の中州の砦に籠るが、官軍に囲まれる。穆弘、李俊が救助に向かうも膠着する。公孫勝の致死軍が、晁蓋の梁山泊軍が、林冲の騎馬隊が駆けつけて官軍を蹴散らし、宋江を救った。宋江は武松、李逵を連れて、子午山、少華山を目指す。
北の地、遼をさすらっていた魯智深は、女真族の牢にいた。単身潜入した鄧飛は魯智深の左腕を犠牲にして救出し、柴進の屋敷に戻る。傷口が腐った魯智深だが、駆けつけた安道全に救われ、以後、魯達という旧名を名のる。青蓮寺と馬桂が楊志を狙っていた。隙を突いて王和軍が楊志を包囲する。楊志は百人を切り捨てるが、壮絶な戦死を遂げる。楊令だけが、貌に火傷を負って生き残る。官軍は、余勢をかってニ竜山、桃花山に押し寄せるが、石秀周通が身を挺して守り、二人は戦死した。

(第六巻 風塵の章)

風塵の章楊志のあとに人材を得たいと考えた梁山泊は、青洲の将軍、霹靂火・秦明に目をつける。魯達が赤心をもって説得し、秦明は、副官の花栄を連れて二竜山に入り、指揮をとる。襲ってきた官軍を、秦明は清風山の燕順ら、かつての部下、黄信と連携して撃破する。また劉唐は、鄧飛、王英とともに、もうひとつの致死軍たる飛竜軍を組織した。
拡大する梁山泊に、蔡京は聞煥章を青蓮寺に送り込んで、対策を強化する。聞煥章はまず宋江に的を絞った。武松、李逵と旅を続けながら、宋江は欧鵬陶宗旺を新たに従え、子午山で王進と会って史進を連れ出し、少華山に戻す。さらに双頭山に向かうが、聞煥章の探索部隊が宋江らを見つけ、戴宗の通信網を遮断して、太原府の山中に追い込んだ。五人を官の大軍が包囲した。双頭山には王定六が、梁山泊には戴宗が急を告げに走る。

(第七巻 烈火の章)

烈火の章陶宗旺が李逵の切った石を積みあげる罠をめぐらす。官軍の包囲の輪はせばまり、ついに山に火を放たれた。双頭山から朱仝、雷横、飛竜軍の劉唐らが駆けつけた時、山は炎上していたが、陶宗旺の石積みが崩れて火を鎮める。乱軍に、林冲の騎馬隊が間に合って、宋江らは一路、梁山泊を目指す。宋江の身代わりとなって、雷横が壮絶な戦死を遂げる。宋江は、梁山泊で晁蓋と再会した。
青蓮寺は少華山の殲滅をもくろみ、近くの了義山に偽装工作を仕掛ける。それを見破った史進らは少華山を捨て、梁山泊に合流する。この戦いで、阮小五が戦死した。
魯達は雄州で、将軍の関勝に会って志を説いた。名を秘しての会談であったが、関勝の心に梁山泊の名を刻んだ。宣賛を供に保州を旅した関勝は、暴虐を続ける肉屋を魯達が撲ち殺すのを見て、国のありようについて沈思する。
梁山泊、二竜山、双頭山の中心にある独竜岡では、祝家荘が李家荘や扈家荘と結んで勢力を持っていた。青蓮寺は、この祝家荘に官の大軍を送り込んで、内側から梁山泊を切り崩そうとしていた。信頼していない李家荘の李応のもとに王和を派遣し、また梁山泊の密偵、時遷を殺す。梁山泊も祝家荘の異変を察し、来るべき戦に備えている。最大の闘いの火蓋が切られようとしていた。

(第八巻 青龍の章)

青龍の章猟師の解珍は、梁山泊の喉元にある祝家荘の異変を察していた。祝家荘には青連寺の手が入っていた。息子の解宝と様子を窺っているうちに、魯達が訪ねて来て同心を勧める。また、登州の孫立も花栄の勧めで、梁山泊に味方して一族と祝家荘に入ることを約束した。聞煥章は、呂牛に馬桂を殺させる。唐昇が三荘に軍を配備し、罠をめぐらして戦を待っていた。禁軍の宿元景も出動する。
ついに戦が始まった。秦明は勝負のつかない戦をしいられ、梁山泊も罠を恐れて祝家荘に踏み込めない。林冲は扈家荘の扈三娘を打ち倒し、鄭天寿は崖から落ちて死ぬ。童威宋万杜遷も戦死。李家荘の李応を殺そうとした王和を武松、李逵が倒して、李応隊が祝家荘を襲う。荘内にいた解珍親子、孫立一族が呼応して、祝家荘は崩壊する。聞煥章は片足を負傷するも脱出し、追った焦挺が戦死する。

(第九巻 嵐翠の章)

嵐翠の章戦勝を間近に、林冲はひとり戦線を離脱して開封を目指す。死んだはずの妻、張藍が生きている、との報を聞いたからである。開封郊外で張藍らしい人影を見つけるが、林冲暗殺のための青連寺、李富の罠だった。林冲は、索超呂方とともに必死で斬り抜け、さらに致死軍に助けられるが、重傷を負う。安道全の手当てで一命をとりとめた林冲は、黄蓋に戦線離脱の罰として馬糞の処理を命じられる。
魯達は楊令を王進のいる子午山に連れて行き、鮑旭馬麟を連れ出す。塩の道を管理していた盧俊義、柴進が博州や高唐で危機にあった。黄蓋、史進、扈三娘が出撃して救出するが、鄧飛が圧死する。

(第十巻 濁流の章)

濁流の章官は、ついに地方軍の切り札、代州の呼延灼将軍に梁山泊撲滅の指令を出す。軍師の韓滔彭玘とともに呼延灼は出撃するが、高俅が軍監として同行する。梁山湖を背にして黄蓋が呼延灼と向かい合う。呼延灼の連環馬が梁山泊軍を蹴散らすが、呼延灼が北京大名府に呼ばれている間に、高俅が勝手に追撃戦を挑んで、梁山泊軍に敗れ、呼延灼は韓滔や彭玘とともに梁山泊に合流する。

(第十一巻 天地の章)

天地の章青連寺の刺客、史文恭が黄蓋を狙っていた。梁山泊では、さらに水軍の増強と人事、造船が進む一方、黄蓋と宋江の路線の対立が顕著になってきていた。索超は子午山を訪ね、たくましく成長している楊令に会う。闇塩の道を狙う青連寺の探索を撹乱するために、黄蓋自らが指揮を執り、史進らとともに出陣する。目的を果たし、さらに平原の城郭を落とすも、黄蓋は史文恭の放った毒矢に射られて、會頭市にて絶命する。

(第十二巻 炳乎の章)

炳乎の章青連寺は執拗に闇塩の道を探索し、ついに北京大名府で盧俊義を捕縛して拷問にかける。燕青が、飛竜軍の助けを借りて救出し、ひとりで重傷の盧俊義を担ぎ梁山泊に運び込む。梁山泊には索超、菫平が同士として迎えられ、また官の一手として攻めてきた関勝も、宣賛らとともに梁山泊へ入る。

(第十三巻 白虎の章)

白虎の章官軍の反撃…漢たちは哭き、吠える!
決戦を前に、阮小二と童猛、李俊らは梁山泊水軍の強化に余念がなかった。だが大軍を擁して梁山泊殲滅に動き始めた官軍は、董万の巧妙な作戦で双頭山に奇襲をかける。守将・朱仝の凄絶な死闘が始まる。

(第十四巻 爪牙の章)

爪牙の章没羽箭・張清、登場。一百八星、ここに集えり。官軍の総攻撃は続いている。双頭山、流花塞、二竜山。怒濤の如き大軍の猛攻に梁山泊の崩壊の危機は続く。威勝で闘う魯達と武松の前に緑衣の将が立ちふさがった。百八人目の好漢、張清の登場。

(第十五巻 折戟の章)

折戟の章命ある限り戦い続ける。熱き漢のロマン!
官軍の大軍に押される梁山泊軍の死闘は続く。双頭山では宋清が命懸けで兵糧を守り、流花塞で宿元景軍と闘う花栄は神技のごとき弓技を見せつける。起死回生を賭け、宣賛は北京大名府の攻略を図る。

(第十六巻 馳驟の章)

馳驟の章危機を脱した梁山泊。暗躍する影…
北京大名府の占拠が成功、勅命による停戦で、梁山泊は危機を脱する。一方、戴宗は講和を匂わせて高俅に接近。そして史文恭は梁山泊の大物暗殺を狙って、済州に潜伏していた。水面下の死闘が続く。

(第十七巻 朱雀の章)

朱雀の章元帥・童貫の軍が双頭山を襲う!
武松らは女真族を巻き込み、宋と遼の国境で戦端を開く。一方、ついに官軍元帥・童貫の軍が双頭山を襲う。孫立菫平が斃れる激戦に、梁山泊の宣賛は廬俊義と謀り、講和で時をかせごうとするが…。

(第十八巻 乾坤の章)

乾坤の章漢は無様な死に方をしてはならぬ!
宋軍の巨船水軍が梁山泊に迫るが、流花寨の死闘で辛くも防ぐ。一方、梁山泊本隊と童貫軍との緒戦は、呼延灼の策で梁山泊が勝利する。そんな中、楊志の遺児・楊令が入山。決戦は眼前に迫っていた。

(第十九巻 旌旗の章)

旌旗の章北方水滸伝、堂々完結!
童貫軍に追い詰められてゆく梁山泊軍。林冲の死後、騎馬隊を率いる楊令は童貫の首を狙う。戦場に出た宋江を、李逵と武松が守り抜く。花栄が率いる流花寨は陥落、梁山泊にも最期の時が迫る…。

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